2010年3月12日金曜日

L'imperativo 命令法

命令法は、命令するときの他に、何かをお願いしたり、丁重に要求したりするときにも使われます。そのため話す場合には、口調に気をつけて状況に応じて使い分ける必要があります。 例えば、venire「来る」のtuの形で"vieni!"とひとつ書いてみても、口調次第で「来いっ!」にも「来て!」にも「おいで」にも「こちらへどうぞ」にもなります。

動詞の変化は、tu,noi,voi,は直説法現在形と同様、lui/lei,loro,は接続法現在形と同様になります。(一部例外があります。)
※例外 are動詞のtuの形は語尾がaになります。例 ○ tu parla! (× tu parli!)

代名詞(直接目的語・間接目的語とその複合形、再帰)の位置は、tu,noi,voi,の場合は動詞の後ろに置いて、動詞と一体になります。
lui/lei,loro,の場合は動詞の前に置きます。命令法以外の場合と同様です。

例 彼・彼らにgli 話すparlare
tu- parlagli!
noi- parliamogli!
voi- parlategli!

lui/lei- gli parli!
loro- gli parlino!

・dare,dire,fare,stare,andare,のtuの形はそれぞれ、da',di',fa',sta',va',と単音節になり、これらの後ろに代名詞を置く場合は、"dammi!","dicci!"のように代名詞の子音が二重になります。
ただしgliの場合は"digli"のようにそのままの形で置きます。

・nonを使った命令法の否定形の場合、tuの形だけ不定詞になります。その他の人称の形は変わりません。
例(tu) non fumare! タバコを吸うな! (tu) non dire! 言うな! (noi) non facciamo! 私たちはしてはなりません!
また、このnonを使った否定形で代名詞を置く場合、tu,noi,voi,の形に限り、代名詞を動詞の前に置いても、後ろに置いてもよくなります。
例 (tu) non dirglielo! または non glielo dire! それを彼に(彼らに)言うな!
<ちょこっとメモ> 実際の会話では、tuの形では各人自由に置きますが、noi,voi,の形で代名詞を動詞の前に置くことはほとんどないそうです。(文法上は可能ですが。)

・動詞 essere,avere,sapere は不規則な変化をします。全ての人称で接続法の形がつかわれ、さらにtuの形は完全に不規則形になります。
ESSERE
tu- sii!
noi- siamo!
voi- siate!

lui/lei- sia!
loro- siano!

AVERE
tu- abbi!
noi- abbiamo!
voi- abbiate!

lui/lei- abbia!
loro- abbiano!

SAPERE
tu- sappi!
noi- sappiamo!
voi- sappiate!

lui/lei- sappia!
loro- sappiano!

<ちょこっとメモ>
いろいろとややこしい命令法ですが、文法は以上でおしまいです。使いこなせるように一緒にがんばっていきましょう! でもなぜこんなにややこしいのか? 私のイタリア人の先生の話によると、この命令法は、直説法や接続法の後に出来たので、このように"buco grammaticale 文法の落とし穴" がたくさんあるのだそうです。 ただし、「道端では接続法や時制の一致をよく間違ってしまうイタリア人でも、この命令法はほとんど誰も間違わない! イタリア人は命令やお願いが大好きだからね~」と笑顔で語ってくれました。

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